仕事終わりの金曜日。
一般人がお酒を飲みながら一週間の疲れを労う頃、

私たちは頭にヘッドライトを装着し、
真っ暗な川で岩の下に手を突っ込んでハァハァしていました。

一週間の中で一番エネルギーがみなぎる瞬間です。

狙いはノコギリガザミですが、
いいサイズのうなぎがいれば、うなぎも。
そして今回はもくず蟹も捕獲対象です。

土曜日の朝。
一般人が気持ちよく2度寝している頃、
私たちのクーラーボックスはすごい事になっていました。

土曜日の早朝でこのありさまです。

ノコギリガザミXLサイズ1匹、Mサイズ1匹
うなぎ4匹
もくず蟹19匹


土曜飯は蒸しノコギリガザミ(取れた爪)と、蒸しもくず蟹。
2週間寝かせた野生の栗で作った栗ご飯も一緒に頂きます。

ノコギリガザミの味が濃厚過ぎて、美味しいはずのもくず蟹の味がボヤけるー!

「旨味の爆弾や・・・」

旦那がボソッと言いました。
強烈に旨いノコギリガザミの味に改めて衝撃を受けました。

そしてなぜ今回、もくず蟹まで気合いを入れて捕獲したかと言うと。。。

旦那ががん汁を作りたいと言い出したからです。

「がん汁?」

よく分かっていない私は、とりあえずもくず蟹を使った料理なら確実に美味しいだろうと、軽い気持ちで「うん食べたーい」と言っていたのですが、

この後残酷な光景が待ち受けているとは思ってもいませんでした。

がん汁とは、大分県の郷土料理で蟹を生きたままぐちょぐちょにすり潰し、そのエキスを濾して味噌や醤油で味付けしたものです。
生きたまま粉砕された蟹は、茶色い粘土状のエキスでいっぱいになり、形が分からないまでになります。
潰されて目が飛び出る光景を何度も見ながら、
「うちらきっと地獄へ堕ちるわ」と思いました。

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これを火にかけると、たんぱく質が凝固してふわふわの物体と透明の汁に分かれます。

何これすごい!!

私「なんで固まんの!!?」

旦那「タンパク質はアミノ酸が連結してできた高分子でアミノ酸とアミノ酸の間に働く水素結合という力が働いて立体構造を保ってるんやけど、熱を加えると水素結合が切断されて立体構造が崩れるから、高分子の内部にあった部分が表面に露出して凝集して…

私「分かるかーーーーー!!!!!
もおええわーーーー!!!!!」

とりあえずタンパク質は熱を加えると固まる事がわかったところで、早速食べてみる事にした。

おいしい!!!!
思っていた程ガツンとした蟹の味はなく、茶わん蒸しのように上品な蟹の風味が後からボワッとやってきます。
分かり易く言うと、蟹味噌スープです。
いくらでもごくごく飲める!!!!

蟹エキスを濾した後の殻も決して無駄にしません。
もくず蟹の全てを捧げたチャーハン

粉砕した殻から出汁をとり、その濃厚な蟹出汁でご飯を炊きあげました。
更に蟹の香りを移した油でチャーハンを炒め、もくず蟹のほぐし身をこれでもかと入れました。
化学調味料を一切使っていないのに、やみつきになる旨みが襲ってきます。
炊き立てご飯&火力が足りずパラッパラにはならなかったのは改善点です。

 

がん汁は昔は一般家庭でも作られていた郷土料理ですが、手間暇かかるからか今は家庭で作られることは少なく、これを出す店も稀だそう。

がん汁とチャーハンに、沢山の命の味を感じました。
ありがとうという気持ちで丁寧に作りました。
すごく美味しかったし、幾ばくかの思いが残りました。

翌日のメニューもえげつない!毎日地球が滅びる前日のご飯食べてるみたいな豪華メニュー。
次回の記事につなげますww


syuryosaisyukazoku

食材ハンターの旦那を嫁目線で綴ったブログです。 3歳の娘と0歳の息子と共に、自らの手で獲った食材で最高の調理法を追及する生活を送っています。 身動きできない檻でホルモン剤を投与され育った家畜よりも、山で走り回りどんぐりを食べて育った猪を食べたいです。 狭い所でひしめき合いながらワクチン注射を打たれ育った養殖魚よりも、海流に乗って荒波にもまれながら育った天然の魚を食べたいです。 山に行けばきのこや山菜、果物も採れます。 それらの共通点は「生きるちから」です。 感謝の気持ちを忘れず、今日も自然の恵みを「いただきます。」

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