九州の魚はなぜうまい!わざわざ九州まで行く理由でも述べましたが、旨みの素であるATPの減少を無くす為に我々が行っている事。
それは、
神経締めです。
今回はその神経締めの一般的な方法を解説したいと思います。
①神経を破壊する
魚種によって脳の位置は多少異なりますが、大体は目と目の間の眉間にスパイクを打ち込みます。ナイフでもOK!
暴れてATPが消費されないうちに一気に仕留める事が重要です。
脳に正確に刺さると、魚が口をパカっと開けて痙攣します。
②血抜きをする
エラから包丁を入れ、骨に沿ってある動脈を切ります。
ポイント!
◆心臓が動いているうちに動脈を切る←しっかりと血が抜けるから
◆内臓は傷つけない
◆血管の切断は一番太い血管だけ←エラの付け根ではなく背骨の直下部分
③神経締め
血抜きが完了したらいよいよ神経締め!
先ほど眉間に開けた穴から脊髄に沿ってワイヤーを通していきます。
正しく脊髄に刺さると、魚が痙攣し、針金が到達している部分のヒレがビクンと動きます。
④寝かせる
最後に、血抜きの終わった魚を冷蔵庫で寝かせます。
エラ、内臓、ウロコ、血合い等を徹底的に取り除いて、水気と空気を遮断します。
うちではデカい魚の時はペットのトイレシート(無香料)を魚に巻きます。
小さい魚であれば、キッチンペーパーを巻いてジップロックに入れて真空状態にして保存します。
釣り人の中にはサクにして寝かせる人もいますが、うちはサクにはせずそのままです。
旨みのピークは、適切な熟成が行われていれば早くて2-3日程で達して、長ければ1週間まで持続します。
柔らかくて旨みが蓄積された身に本当にビックリしますよ。
最後に…
美味しいの定義が人によって違う件。
◆旨みは少ないが血抜き直後の身のプリプリした食感を楽しみたい人
◆身に締まりはないが旨みを楽しみたい人
食感と旨み、どちらを優先するかは人それぞれです。
それによって神経締めの意味合いも異なってくるのです。
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